vol18

2018,12,22

出演:隅田川馬石 / 春風亭百栄 前座:桃月庵ひしもち

こてんこてんの会3

1回で終わってしまうかに見えたこてんこてんの会も3回目を無事迎えることが出来ました。 この会は、百栄師匠の古典ともちろん馬石師匠の古典がいい具合にミックスされて、とんでもなく面白い相乗効果を生み出しています。 ほぼ同期(少し馬石師匠が先輩)前座時代を一緒にすごしてきた二人です。 仲がいいのかそうでもないのか微妙加減を匂わせてくるあたりは、お二人のシャレ?マジ?それは今後も、こてんこてんの会を見続けていただけたら見えてくるかもしれません。 いつも思うのですが、両極端にいるようで、とても似ていると思えて、どうしようもなく面白いのです。

おめでたいムード

毎度のことながら、前座には桃月庵ひしもちさんにお手伝いいただいてます。 本番前に、二つ目昇進になることを言ったほうがいいよと、師匠方にも言われていました。 でも、ひしもちさんが、お客様がそんなこと報告なんてしても誰も聞きたくないしご迷惑になるって言っていたんです。 それでも主催側からも、言ったほうがいいとお願いして、高座にあがってご報告をしようとしたら、客席から「おめでとう」の嵐! めちゃくちゃ温かいじゃないですか! さすが落語スキなお客様、そして愛される前座さん。 お祝いムードで始まりました。 師匠方も袖でそれを見ていて微笑んでおりました。

春風亭百栄はさん喬師匠の次?!

東京かわら版さんの表紙が12月号になると噺家さんがサンタの格好をして表紙を飾ります。 この年の表紙がちょうど百栄師匠だったんですね。 歴代のサンタ姿の師匠たちは全部で10人。 降板順に見ると百栄師匠は一番下なんですが、年功序列順に並べると、百栄師匠は4番目で、3番目はさん喬師匠という・・・ えっ、さん喬師匠の次が百栄www という事実が発覚し、会場爆笑でした。 脇で馬石師匠も吹いていましたw 1席目は、「ぞろぞろ」 酒好きすぎて酔っ払いキレまくる神様が、おかしすぎ! さすが百栄師匠にかかると、ぞろぞろもこんなに面白くなるのかと思いました。 1席目から大盛り上がりです。

お祝い噺

ひしもちさんの二つ目昇進をお祝いする噺で「狸札」 白酒師匠のお弟子さんなので、一門という事もあり、嬉しそうでした。 第2回のこてんこてんの会で、ふたりが前座時代の話とか披露していましたが、今回は百栄師匠が話さなかったので、馬石師匠も言わないそうですw 意地張ってるところが、可愛すぎました。 というか、噴出してしまいました。 裏では二人は普通に楽しそうに話をしていますが、どこか距離があるようにも?見えますね。 不思議な大人二人です。

仲とり

今回の仲とりは百栄師匠です。 百栄師匠は、あいかわらずあの調子です。 意外といってはあれですが、百栄師匠の啖呵は聞いていて気持ちいいんですよね。 不思議な師匠です。 はじめて百栄師匠を聴いた人も百栄師匠のファンになってしまうくらい、惹き込まれる魅力が全開です。 あの調子なんですけどね。 「芝居の喧嘩」ですが途中、たがやさんが出てきたりして、自由自在な感じが楽しい高座になるんですね。 下げもかっこいいのです。 あの声でちょっとね、淡々とした言い方でふっと下がっていく感じがたまらないのです。

大トリ

馬石師匠の「二番煎じ」は冬の寒い日には絶対に聴きたい一席です。 数人出てくる登場人物のキャラが全員たっているという、本当に一人がやっているとは思えないほど、はっきりとキャラが見えてくるので、噺にしっかり寄り添えるんですね。 またちょっと図々しいのに、へらへらと通してしまう強行キャラも秀逸です。 噺の中にでてくる義太夫も、10年以上実際に義太夫を習っている師匠ならではの、耳に心地よく、唄にしびれた人も多いのです。 本格的なプロの噺なんですよね。 これは聴いたことのない人は、必聴ですよ。

次回のフランボヤン寄席は決定次第お知らせをいたします。 こてんこてんの会は4が出来るように、また百栄師匠のご機嫌を伺いに参りますので、しばしお待ちください。 このたびは、年末の差し迫った中、沢山の方にご来場いただきまして本当にありがとうございました。 皆様が来ていただいて初めて、成り立つものです。 初めての方も、そうでない方もみんなまたご来場ください。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。