vol16

2017,06,03

出演:隅田川馬石 / 春風亭百栄 前座:桃月庵ひしもち

2回目を望む声☆「こてんこてんの会」

2回目の開催が無事お開きとなりました。初回はどこか様子見のような所もあり、両師匠が、お互いに触れる事が少なかったですが、 マクラから、前座時代の話や、お二人の微妙な仲の良さの話は、爆笑を交えながら真打ちになるまでの長い道のりを感じさせる素敵な内容で始まりました。

隅田川馬石「野ざらし」

何度も何度も練り直して出来た「野ざらし」は、人情ものを語る師匠とは打って変わって、いききったキャラクターです。
とんでもなく楽しい妄想が、狂気めいているのに、それが妙な可笑しさと可愛さになるから、馬石師匠の落とし噺はたまりません。
まだまだ馬石師匠の魅力は、奥が深く広さで溢れていると思える一席でした。

春風亭百栄「鼻ほしい」

マクラで語る馬石師匠の噺が、上手く出来た小咄のようで、馬鹿受けしておりました。これでもかと馬石師匠を表現している様が何となくかっこいいなあと思いました。 袖でお互いがお互いのマクラに聴き入っていて、くすくすと笑っている姿が印象的で、ああ、噺家さん同士でしか分からない領域なんだなと感じて、そっとその場を去りました。 百栄師匠の「鼻ほしい」を初めて聴いたときに、新作かと思うくらい百栄ワールド!久しぶりに聴きました。パワーは健在です。会場大爆笑でした。

隅田川馬石「駒長」仲トリ

雲助一門で「駒長」を龍玉師匠がよくかけられますが、私自身、馬石師匠で聴いたのはたった一回です。しかもずいぶん前に。
それで「駒長」を提案してみました。馬石師匠はあまりかけたがらない様に感じていたのでOKが出たのはびっくりしました。それくらいに久しぶりにかけられる噺でした。 何と言っても女性が可愛くて色っぽい馬石師匠ならではの、お駒さん。演技のはずが、本当の優しさと愛情に触れて、本気の駆け落ちになるところは、お駒さんの描写が とっても愛おしく描かれているからではないかと思ったのですが、皆さんもそう思われたようで、本気のかけおちになった事をすんなり受け入れられたようです。 さすがに馬石師匠の女性の解釈が素晴らしく生きていると思います。

春風亭百栄「素人義太夫」大トリ

ネタ出しの「素人義太夫」の可笑しさったらなかったですね。強烈ですね。義太夫を聴きたくない理由のチョイスが百栄ワールドすぎて おなか抱えるくらい会場中が爆笑の嵐でした。みなさん腹筋割れたんじゃないんですかね(笑) ちょっと狂気めいていると思うんですよね。それが妙に可笑しい。そしてなぜか可愛いのです。

まったく似ていない両師匠ですが、まるで正反対にいるようなのですが、どこか似ているでしょ?! 会場にいらして頂いた皆様なら、それを感じていただけたのではと思います。 とんでもないお二人なんですよ本当に。どこまでもマイペースで、どこまでもチャーミングで、どこまでも毒ぽくて、どこまでも暖かい。 そんな落語をお届けできたのではと思っております。3回目を望んで頂く皆様ありがとうございます。きっと近い未来に開催できるよう、頑張ります。 また、前座は、桃月庵ひしもちさんに毎回お願いしておりますが、彼もとっても上手くて、いい味を醸し出しております。前座一押しのひしもちさんも宜しくお願い致します。 では、次回3回目のこてんこてんの会でお会い出来ます事をお祈りします☆沢山のご来場、本当にありがとうございました。感謝感謝です。

注意※著作権侵害のため、画像の無断使用を禁止致します。